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動き出す東銀座!今と昔、人と人とを結ぶエリアマネジメントイベント開催中

百貨店が並ぶ銀座の繁華街と築地にはさまれた「東銀座」。
個性的なエリアに挟まれた一帯ですが、歌舞伎座に象徴されるような独自のキャラクターと風情をもつ場所です。
その東銀座の魅力をより高めようと、エリアマネジメント活動が立ち上がってきています。

「東銀座エリアマネジメント」が実施中のイベントと、エリマネ活動を行う担当者の想いをレポートします。

東銀座で始まるエリマネ活動

地下鉄の駅名となっている東銀座。大まかにいうと昭和通りの東側、晴海通りをはさんで広がる一帯になります。
劇場や老舗料亭など、伝統的な和を感じさせるスポットが数多くある一方、映像や出版、地方メディアなどが集積するオフィス街でもあります。

このように、昭和通りの西側とは少し違う顔をもつ「東銀座」。
そこにある魅力を発掘しつつ、エリア単位での個性やにぎわいを生み出すために始まったのが「東銀座エリアマネジメント」です。
今年開設されたウェブサイトには、地域の特性を活かしたエリマネの方向性が次のようにうたわれています。

時代とまちと そこに訪れるひとを結ぶ エンターテインメントがここにある。
今と昔を結ぶまち。
人と人とを結ぶまち。東銀座。
一人でも多くのひとが 心躍る瞬間に出会えるまちを 目指します。  

東銀座エリアマネジメント ウェブサイトより
ランドマークである歌舞伎座のほか、オフィスや飲食店が立地する東銀座エリア

エリマネイベントで感じる東銀座らしさ

エリアのイメージを発信する取り組みとして、東銀座エリアマネジメントはまちなかを使って2つの企画を行っています。まずはその様子をのぞいてみましょう。

輪~東銀座を彩る風鈴イベント~

東銀座の駅を出て散策してみると、街かどに夏らしい“あるもの”があるのに気づきます。
風にそよぐ鮮やかな色彩、涼しげな音色―
輪~東銀座を彩る風鈴イベント~」(7月20日~9月5日)で設置されたオリジナルの風鈴です。

歌舞伎座や築地本願寺など、まちを歩きながらいろいろな場所でカラフルな風鈴に出会うことができます。
風鈴の色彩や音色に触れていると、夏らしさとともに、どこかしら懐かしい風情や安らぎを感じることもできます。
それによって、情緒が息づく東銀座の空気感に触れられる企画となっています。

風鈴のデザインバリエーションを見比べたり、設置されている街かどのスポットを探してみたりと、東銀座に立ち寄った際のまち歩きの楽しみになりそうですね。

エリマネのロゴが入ったカラフルな風鈴(銀座松竹スクエア前公開空地)
歌舞伎座前の風鈴は、向かいの老舗商店を含めた通りの雰囲気とマッチ

仮囲いアート展示「中央区三十七町と東銀座」

東銀座を貫く首都高沿いを晴海通りから北に進むと、解体工事が行われている一角が現れます。
エリマネに参加している住友不動産によるこちらの解体現場で、「中央区三十七町と東銀座」展が開催されています。

工事の仮囲いに近づくと、江戸の風情を感じさせるような小粋な図柄やイラストが展示され、あたかもギャラリーのよう。
図柄には中央区にある37の町名が描かれていて、そこに表現された町それぞれの特徴や説明文を見ていると、思わず“なるほど”と次へ次へと見入ってしまいます。
実際、老若男女問わず立ち止まって鑑賞したり、写真を撮ったり、お年寄りの方は懐かしむようにしみじみと眺めていたり。時にはその人たちを見て、わざわざ車を停めて見に来たりする人もいるほどです。

さらに、多様な町まちの図柄と並んで、美しい東銀座のイラストも掲げられており、今いるまちのキャラクターを感じることができます。
まち歩きや歴史文化が好きな人はもちろん、アートやデザインが好きな人も楽しめる展示です。

中央区三十七町の多様な特徴を味わえるアート展示
新しい「まち」の個性を伝える東銀座のイラスト
白い仮囲いが多くの通行人をひきつけるアートギャラリーに

エリアマネジメントに込める想い

今回のイベントおよび東銀座エリアマネジメントの活動に一役買っているのが、松竹株式会社のエリアマネジメントプロジェクトチームです。
松竹といえば思い浮かぶのは映画や歌舞伎ですが、なぜエンターテインメントを扱う企業がエリアマネジメントに取り組み始めたのでしょうか? プロジェクトチームのメンバーに聞いてみました。

東銀座は銀座と築地に挟まれて通過するまちとなっていますが、歌舞伎座がある松竹としての拠点でもあり、また江戸時代から芝居町が形成されていた場所でもありました。このまちでより歌舞伎が浸透し、活用されていってほしいという想いのもと、地域連携を行いながら、まちの価値やブランドを高めていきたいと考えています。
さらに将来を見据え、現代の新しい芝居町として発展できるよう、近隣との連携を行いながら活動に取り組んでいきたいです。

イベントの注目ポイントは?

このようなまちの未来像を描きながら動き始めたエリアマネジメント。その手始めともいえる今回のイベントですが、その背景にはどのような意図や地域との連携があったのでしょうか?

風鈴イベントは、晴海通り沿いの店舗約90軒にお声かけして合計400個もの風鈴を設置し、東銀座エリアとしての趣を演出しています。
設置している風鈴も、実はエリア内にあるアンテナショップ・いわて銀河プラザとの連携によるもので、南部鉄器製のものを使っています。ガラスの風鈴とはまた違う、涼を感じられるよい音色を楽しんでもらえると思います。
さらに、風鈴の短冊は福祉実験ユニット・ヘラルボニーとコラボレーションし、障害のあるアーティストが描く5色のアートを施しています。今回の企画を通して、これからのアートのあるまちづくりへの一歩を感じてもらえるとうれしいです。

仮囲いアート展示には、アート企画の第一弾として地域と一緒にまちを盛り上げていきたいというメッセージを発信しようという想いがあり、東銀座とそれを取り巻くまちを紹介できるような内容のものになっています。三十七町のビジュアルは中央区観光協会の協力のもと、区内で風呂敷などを扱う宮井株式会社のデザインによる、まちの特徴を捉えた江戸風の図柄を使用しています。
外出がしにくい昨今ですが、東銀座にいらっしゃる方々に周りのまちに行った気持ちになってもらいながら、まちとまちの関係性を感じてもらえたらと思っています。

SDGsにもつながるエリマネイベント

今回の2つの企画の背景として、実はSDGsへの貢献も考えられているそうです。
仮囲いアートではエリアでの働きがいや持続可能性、関係者とのパートナーシップ(それぞれゴール8、11、17)、風鈴では不平等是正の気候変動対策(ゴール10、13)が意識されています。


このような背景を踏まえて東銀座の仮囲いや風鈴を見てみると、より活動の奥行きが感じられ、想像がかき立てられますね。

風鈴は9月5日まで、仮囲いアートは当面の間設置されています。
もし近くに立寄る機会があれば、足をのばしてみてはいかがでしょうか?

エリア内外との結びつきから生まれる東銀座の未来

エリアマネジメントがスタートした東銀座、今回の企画だけでも様々な地域資源やポテンシャルを感じることができました。

エリアマネジメントを進めていく中で、エリア内での連携もさることながら、市場跡が再開発される築地や、銀座やその先のオフィス街なども含め、エリア外とも積極的にコラボレーションしていきたいと思っています。

これからの活動推進に向けて、プロジェクトチームのメンバーはこう語ります。

エリマネのコンセプトでうたわれているように、今と昔の地域資源が結ばれ、エリア内外の人々が結ばれることで、これから東銀座で様々な魅力的な動きが出てくることがとても楽しみです。


(執筆:編集部、写真:小西南月)

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