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エリアマネジメントの課題解決になる?! BID制度とは?

日本版BID制度について

日本版BID(ビーアイディー)制度と呼ばれる制度がついに国会で成立し、2018年6月1日に公布・施行されました。日本各地で広がりつつあるエリアマネジメントを財政面でバックアップするこの制度を簡単に説明していきます。

エリアマネジメントの課題解決になる?! BID制度とは?

BIDとは“Business Improvement District”の単語の頭文字をとった略称です。
特定のエリアを対象とした「負担金徴収(資金調達)のための制度」のことで、海外では、イギリスやアメリカ、カナダなどで既に実施されています。日本の事例としては大阪市独自で実施している「大阪版BID制度」が2015年から運用されていますが、市の条例にとどまり、全国に広がっていきませんでした。

正式名称は「地域再生エリアマネジメント負担金制度」

今回、日本で導入されることとなった日本版BID制度ですが、正式には「地域再生法の一部を改正する法律案」として提出されたもののひとつで、2018年2月に閣議決定され、同年5月に成立しました。いくつかある法改正のうち、「地域再生エリアマネジメント負担金制度」と呼ばれているものが、日本版BID制度にあたる内容ということです。

どんなことができるのか?日本版BID制度の説明日本版BID制度について、これまで抱えていた課題とともに説明します。

1.日本版BID制度の導入によりできるようになること
2.日本版BID制度の導入条件
3.徴収した負担金の使い道

1.日本版BID制度の導入によりできるようになること

エリアマネジメントを推進、エリアを運営していく上で大切なポイントはヒト・モノ・カネを循環させなければならないことです。大きな問題になるのがやはりカネ(財源)です。エリア全体の価値向上の取り組みなので、原則的にはその対象エリア全員で費用を負担しあって取り組んでいくことが望ましいはずです。しかし、全員の同意を得ることは非常に難しく、費用を負担していないにもかかわらずエリアマネジメント導入による恩恵を受ける人、いわゆるフリーライダー(ただ乗り)が生まれてしまっていました。日本各地のエリアマネジメント組織には多様な組織形態があり、公的な取り組みも多く行われていますが、ひとつの民間組織にすぎません。民間からは強制的に費用を徴収することはできなかったのです。
そのような課題を解決するため、対象エリア内の事業者に対して負担金の支払いを義務付け、行政が負担金を代理で徴収し、エリアマネジメント組織に渡すということが今回の法改正で位置づけられました。

2.日本版BID制度の導入条件

もちろん、そのためには様々な条件があります。まず、対象エリアについてですが、地域再生エリアマネジメント負担金制度関係条文の法第五条4項六号にはこのように書かれています。

“自然的経済的社会的条件からみて一体である地域であって当該地域の来訪者又は滞在者(以下「来訪者等」という。)の増加により事業機会の増大又は収益性の向上が図られる事業を行う事業者が集積している地域において、~(以下略)”
引用:地域再生エリアマネジメント負担金制度関係条文

現時点では、商業エリアや業務エリアを対象とした制度であり、住宅エリアは対象としていないようです。また、対象エリア内の事業者の同意があった上で導入できる制度であり下記いずれかに該当することが条件となります。

・対象エリア内の総受益者(事業者)数の3分の2以上の同意
・負担する負担金の合計金額が負担金総額の3分の2以上の同意を得ること

例えば大金をもった事業者が一人で旗を振ったところで、周囲の理解が得られない場合は導入できません。
逆に大多数の事業者が同意していても負担金総額の3分の1以上を占めるような大金をもった事業者が同意しなければ、導入できないということになります。

ちなみに、エリア内における“事業者とは誰なのか”ですが、国土交通省の指針には「小売業者、サービス業者、不動産賃貸業者 等」と書かれており、必ずしも対象エリア内に土地を所有している、いわば地権者に限定したものではないようです。
このように、対象エリア内の事業者の同意を得たうえで、「地域来訪者等利便増進活動計画」と呼ばれる計画(対象エリアを明示、目標や計画期間、資金計画などを含めた計画)を策定し、その上で行政の議会承認を経ることで、この制度を導入することができるようです。

画像引用:内閣府

3.徴収した負担金の使い道

事業者より徴収した負担金はどのような用途に用いることができるのかですが、法第五条4項六号には、

イ来訪者等の利便の増進に資する施設又は設備の整備又は管理に関する活動
ロ来訪者等の増加を図るための広報又は行事の実施その他の活動
引用:地域再生エリアマネジメント負担金制度関係条文

とあり、施設整備・管理などハード面だけでなく、広報・行事などソフト面の活動にも充当することができます。

大阪版BID制度と呼ばれている大阪市の条例では、ソフト面の活動には費用を充てられなかった制度だったため、この点は大きなポイントです。今後都心部を中心に日本版BID制度を導入するエリアマネジメント組織は増えていくと考えられます。今後も運用面での課題や事例を、最新動向などをチェックしていきます。

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