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福岡・大名小学校跡地「福岡大名ガーデンシティ」で動き始めたシナジーとは

2023年6月、福岡市中央区に複合施設「福岡大名ガーデンシティ」がオープンしました。児童数減少などが理由で2014年に閉校した大名小学校の跡地で、積水ハウスなどの5社が開発・運営を担当しています。 

▲エリアの東側から見た福岡大名ガーデンシティ(PR TIMESより引用)


このプロジェクトは、福岡市が推進する再開発促進事業「天神ビッグバン」の一つです。人・環境・都市活力の調和からチャレンジや交流が生まれる「グロバーバル創業都市」の先駆けとなるよう、「コミュニティ棟」「オフィス・ホテル棟」「広場」など多彩な機能が備わっているのが特徴です。 

▲異なる機能の掛け算で相乗効果を狙う(PR TIMESより引用) 


開業から約8ヵ月、同施設がどのようにまちに溶け込みはじめたのか、現地を訪ねてみました。 

コンセプトは “ MEET SYNERGY 門をくぐって、次の福岡へ。” 

敷地面積は約11,900㎡。施設の顔となる「福岡大名ガーデンシティ・タワー」は、地上25階・地下1階建ての高層ビルで、九州初のラグジュアリーホテル「ザ・リッツ・カールトン福岡」が入居しています。また、ワンフロアの専有面積が約2,500㎡の「ハイグレードオフィス」や、MICE機能を有する「カンファレンス施設」の配置も話題を呼びました。 

▲オフィス・ビル棟にはホテルやカンファレンス施設も(PR TIMESより引用) 


福岡大名ガーデンシティ・タワーは“門”をモチーフにしたデザインが施されています。着想の由来は江戸時代の大名エリアから。当時の大名エリアは武家屋敷がずらりと軒を連ね、間を縫うようにかぎ型の路地が走っていました。 

雁行したつくりが人々の好奇心をくすぐり、にぎわいを生んでいたようです。その仕組みを用いて、建物を立体的に雁行させ、大通りからの人の流れを呼び込むよう設計されたとのこと。 

▲明治通り側からみた福岡大名ガーデンシティ・タワー(PR TIMESより引用) 


見る方向・角度によって印象が異なるという効果ももたらしています。 

異なる機能を繋ぐ、中央の広場 

▲正面から見上げた福岡大名ガーデンシティ・タワー 


施設の正面に立つと、敷地中央の広場が顔をのぞかせます。 

▲奥にのぞくグリーンの広場 


導かれるように歩を進めると徐々に視界が広がり、約3000㎡の緑地があらわれます。 

▲小学校だった当時のまま活用されている校章や時計


広場からは周囲のどの建物にもシームレスにアクセス可能。緑豊かな広場にたたずんでいると童心に帰るような、どこか懐かしく温かい気持ちになりました。 

小学校が持つ機能や性格をそのまま継承した南校舎は、スタートアップ支援や人材育成の拠点「Fukuoka Growth Next」として、日々新たな活動の息吹をもたらしています。 

▲Fukuoka Growth Nextの外観
▲ Fukuoka Growth Nextの内観


広場は、子ども連れのグループや、コーヒー片手に散策を楽しむ来街者、新たなビジネスの構想に声を弾ませるビジネスパーソンなど、さまざまな属性の人々でにぎわっていました。 

▲広場で思い思いに過ごす人々 


複数の顔を持つ福岡大名ガーデンシティですが、かつて校庭だった広場がそれぞれの活動を隔てなく受け止め、“予期せぬ出会いや発見を生む場所”として機能していたのが印象的でした。 

また、広場を使ったりまちの人をつなげるイベントも行われています。
今年1月には日本財団主催の「みんなでほっとマルシェ」が開催され、福岡を中心とした計16店舗のほっと温まるフードが並んだほか、子ども用品の寄付ブースやからくり募金コーナーなども設置されました。
2月には、スタートアップ事業を後押しする無料ミートアップイベント「福岡スタートアップとプロ人材が出会う!MEET UP EVENT」なども行われ、参加者応募が満席に達するなど好評を博したようです。

今後の発展にも注目 

天神ビックバンは今年の2024年で区切りを迎えます。都心部の機能を高める先進的なビル群や再開発で生まれた新たな価値が福岡のまちにどう馴染んでいくのか、引き続き注目が集まりそうですね。 

福岡大名ガーデンシティ 
福岡県福岡市中央区大名2-6-50 
公式サイト:https://fukuoka-dgc.jp/ 

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