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「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」-歴史あるまち、新たなまちが混ざり合う水辺空間

つぎの豊かさを生み出すまち水辺空間として、2020年6月17日に開業した「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」に行ってきました。浜離宮恩賜庭園、旧芝離宮恩賜庭園に囲まれ、東京の歴史を感じることのできるエリアでの、新たなまちづくりの動きをレポートします。

「つぎの豊かさを生み出すまち」から見えてくる、都心の水辺の楽しみ方

ウォーターズ竹芝は、“つぎの豊かさを生み出すまち” というビジョンを掲げ、劇団四季が培ってきた文化・芸術の発信拠点の機能を核に、水辺や浜離宮恩賜庭園といった自然環境のポテンシャルを活かしたまちづくりを推進しています。引用:JR東日本ニュース(https://waters-takeshiba.jp/cmsdata/release/press1902050001.pdf

休日には親子連れが和気あいあいと過ごす風景が生まれ、金曜17時過ぎにはビール片手に広場やテラスでリラックスするビジネスパーソンがにぎわいをかもし始めていました。
6月にオープンしたアトレ竹芝(広場に隣接)の1階部分には、テイクアウトのできるレストランや、オーガニックビールやワインを豊富に扱うショップが入っています。そこで好きな食べ物をテイクアウトし、広場のテラスで風を感じながらゆっくりと時間を過ごすことができます。
好きなものを好きな風景で楽しむことは、店内の閉じた空間から飛び出したニューノーマルなまちの楽しみ方といえるかもしれません。

海・川・陸の結節点、竹芝に注目が集まる

竹芝エリアの特徴として、①海に面した場所、②豊かな緑、③優れた利便性が挙げられます(参考:竹芝の特徴)。
もともと竹芝は東京の島嶼部の玄関口としてよく知られる場所ですが、ウォーターズ竹芝に整備された船着場は、これから新たな東京の観光拠点として注目です。
東京の通勤客を小型船で運ぶ、MaaS(Mobility as a Service)の社会実装モデル構築に向けた実証実験(実施期間:2019年12月下旬~2020年1月上旬)が行われ、2020年6月からは墨田川や湾岸の観光地をつなぐ水上バスや、羽田空港との実証実験ルートの運航が始まりました。
また、竹芝地区はJR浜松町駅、ゆりかもめ竹芝駅に隣接し、陸上交通においても利便性の高いエリアです。加えて、都心部の11区で自由に乗り降りできるシェアバイクのポートが広場のすぐ近くに設置されているため、鉄道だけでなく、シェアバイク、水上タクシー等、水陸の交通サービスがシームレスにつながる日も近いでしょう。

船の発着場

「竹芝干潟」の環境再生とエリアマネジメント

竹芝エリアの特徴として、海に面していたり緑が多かったりと、都心にありながら自然がとても豊かです。水辺に設けられた「竹芝干潟」では、かつて東京湾に多く生息した貝類、甲殻類など多様な生き物が生息できる環境の保全、再生を目指しています。現在は干潟内には入ることはできませんが、今後、観察会などのオープンデイが設けられるそうです。
干潟での環境調査等は、JR東日本グループが一般社団法人竹芝エリアマネジメントと連携し、「ミズベリング竹芝」として運営を行っています。
また、干潟の整備にあたっては汐留川の占用許可を竹芝エリアマネジメントが取得し、JR東日本が実施しました。前述の船着場の整備も同様のスキームです。
魅力的な水辺空間の創出の裏には、民間開発者とエリマネ組織の役割分担があるのです。

竹芝干潟

憩いの場所、非日常感を演出する設計

冒頭では、休日・平日ともににぎわいのある様子を紹介しましたが、水辺の屋外座席の他に多くの人がたたずんでいたのが広場に面した大階段。ここはウッドデッキ調のテラスになっており、階段として利用しつつ、腰掛けて座ることができます。足元を見ると、階段の踏板や 蹴上部分 には沢山のスピーカーが埋め込まれており、いつの間にか音に包まれる心地の良い空間となっています。

『アウトプット大全』の著者で精神科医の樺沢紫苑氏は、脳疲れをリセットできるリラクゼーション空間としてウォーターズ竹芝に注目しているようです(記事)。散歩で訪れたり、テラスでゆっくりしたりするときに感じられる潮風、手前に見える浜離宮の緑、スカイツリーまで見渡せる眺望、船の汽笛の音。リアルでしか感じられない心地よさは、都心には珍しいちょっとした「非日常」を取り入れるには、最適の場所になっていました。
また、テラスに設置された常設のカウンター席は、ドリンクや軽食を持参してイートインスペースとしても利用することができ、他人の気配は感じながらもあまり気にならない、半プライベート空間のようでした。段ごとに植えられた混植の植栽が目隠しとなって、程よい距離感を生んでいるのではないでしょうか。

水辺空間によって歴史あるまちと新たなまちが混ざり合う

明治末から大正初期にかけて埋め立てられ、竹芝駅が開業したのは昭和5年。それから90年経った今、竹芝は新たな水陸の交通の要所として、文化創出の場として、また水辺のにぎわい空間として盛り上がっています。日本国内の水辺活用が勢いづいている中、今後も注目すべきエリアに間違いありません。

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