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表参道ヒルズの吹き抜け大階段

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#独自性 #財源性 #継続性

人が集いイベントが繰り広げられる広場は、決して外にあるものだけではありません。今回は、「建物の中にあるもう一つの広場」として表参道ヒルズ内の空間づくりを見ていきたいと思います。

建物地下3階に広がる吹き抜け大階段

表参道ヒルズの入り口近くで、あるカップルの会話が飛び込んできました。「この建物って、スロープを歩いていくと自然と下のフロアに移動していくんだ」 と得意げな彼に対して、彼女の「なにそれ、すごーい!」というやりとり。みなさんは、この表参道ヒルズのユニークな建物の構造をご存知でしょうか。

表参道ヒルズは、森ビル㈱が中心となった、同潤会青山アパートの再開発によって2006年にオープンした商業施設です。建築家/安藤忠雄氏により、街の景観が考慮され、表参道のケヤキ並木とほぼ同じ高さに抑えられ、全体で地上6階地下6階の構造となっています。また、敷地が接する道路と同じ勾配で建物内の全てのスロープが計画されているため先ほどのカップルの会話のように、スロープに沿って建物の中を歩いていくと、自然とフロアを移動していくことになります。そして、そのスロープに囲われた、地下1階から地下3階までの吹き抜け大階段がその踊り場も含めて、「屋内広場」として存在しているのです。(写真:商業施設部サインのため3階表記。上部に住宅棟があります)

イベント運営に欠かせない設備に注目

毎年恒例となっている、吹き抜け空間を活用した2017年のイルミネーションは「東京の街に溢れる“色”にインスピレーションを受けた作品を手掛けるフランス人建築家エマニュエル・ムホー氏」による、吹き抜け大階段中央に約7mの白いメインツリー、また約1500本100色のミニツリーが天井から吊るされ、「色の森」が表現されていました。

この壮大な1,500本のミニツリーは、天井面に設置されたバトン装置によって吊り下げられています。これは建物の設計段階からイベント運営や販促を計画していなければ実現できない仕組みの1つです。天井の仕上げ材はガラスになっており、一部が切り欠かれ、屋根を支える鉄骨から支持材をとり、バトンを取り付ける仕組みとなっています。バトンには照明器具も設置され、様々なイベントに対応することが可能です。

また、この空間でどこからともなく聞こえてくるBGMですが、辺りを見回してもスピーカーらしきものは見当たりません。よく見てみると、吹き抜け大階段の両脇にオブジェのように設置されているシルバー色の円筒ありました。実は建築のインテリアと調和したこのオブジェのような円筒がこの広場のスピーカーの役割を果たしていました。設計段階から環境演出とあわせてイベント運営も見越して設置された広場装置と言えます。

吹き抜け大階段が人々の視線を集める理由

この吹き抜け大階段が、広場的な役割を果たすことができるもう1つの理由として、建物に入居している店舗の入り口がすべてスロープを向いている、ということではないでしょうか。開発時の敷地が道路と道路に挟まれた全長250mほどの細長い変形敷地であったことを逆手に、吹き抜け大階段と踊り場を「イベントを行う広場」として捉え、それを囲うようにスロープとテナント店舗を配置する計画がなされたのではないかと想像します。さらに、イベント等に必要な設備を事前から計画されたことで、開業後10年近くたった今も、魅力的なイベントを運営することが可能となり、多くの人を引き付ける施設になっているのでしょう。各フロアのスロープを歩く人や店舗から出てくる人の視線が皆、色とりどりのクリスマスツリーを眺めている光景がとても印象的でした。

「建物の中にあるもう一つの広場」を味わいに、表参道ヒルズを訪れてみてください。
建物デザインのみならず、人が賑わう仕組みがたくさん詰まったこの吹き抜け大階段こそが、表参道というエリアに多くの人を惹きつける1つのきっかけになっていることが体験できると思います。

表参道ヒルズについて

 

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