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広場や公道を巻き込んだエリアマネジメント、東京ミッドタウン日比谷

エリマネキーワード #継続性#交流性#自立性

2018年3月29日、「東京ミッドタウン日比谷」が日生劇場、東京宝塚劇場などに隣接する土地に新しく誕生しました。かつての三井銀行本店/日比谷三井ビルディングと三信ビルディングがあった場所に新しくできた、オフィス・映画館・商業施設の複合高層ビルになっています。
この開発では、地元企業・町会・商店会などの地域と一体となったまちづくりのために、エリアマネジメントが行われており、周辺施設と連携して、「芸術文化・エンターテイメントの街」日比谷の魅力が発信されています。今回は建物単体の広場ではなく、エリマネ的な視点で俯瞰してこのエリアを見ていきたいと思います。

メインエントランスより

エリマネ計画に含まれ、デザインが施された区道

「エリアマネジメント範囲図」東京ミッドタウン日比谷webサイトより

まずはじめに上の配置図で目を引くことは、今回のエリマネ範囲に千代田区の区道が南北に横断していることです。何もせずにいれば、この場所は区所有の場所であるため、建物の外壁に挟まれた殺風景な場所になってしまうことが多々あります。ところが、エリアマネジメントを活用しているこの場所では、東京ミッドタウン日比谷外壁にオーニングを設け、向かいの日比谷シャンテはショーウィンドウを設け、道には植栽とベンチが配置されたヒューマンスケールの歩道になっています。舗装材も、石を波形に貼り、排水溝も一部を曲線に流す等の工夫を行い、デザインがきちんと施された空間となっています。

東京ミッドタウン日比谷(右)と日比谷シャンテ(左)に挟まれた区道136号

同一舗装で敷地の外も一体として見せる広場

さて広場に目を移してみましょう。様々なイベントが開催される「街のにぎわいの中心となる“日比谷ステップ広場”」がエリマネ街区の中心にあります。開発の敷地内でありながら、実際の面積以上の広さを感じるのは敷地の周囲も巻き込んだ空間デザインがなされているからではないでしょうか。

ステップ広場上部より

その理由の1つとして、隣接する敷地に建つ日比谷シャンテが開業30周年を機にリニューアルを行い、かつての“合歓の広場”が高さ3mのゴジラ像が設置された“ゴジラスクエア”として生まれ変わりました。区道を挟みながらも舗装材を一体の広場のように見せるように同素材を使用ができたのも、エリアマネジメントがなされているからこそと言えるでしょう。またJR線路側に進むと、景色が一転し居酒屋の密集エリアとなっていますが、ここも舗装材をアスファルトではなくインターロッキングブロックを敷くことでエリアの一体感を演出しています。

左にゴジラスクエア、右手に東京ミッドタウン日比谷と広場を臨む

また、敷地の北側に接道する区道と広場の境界が、植栽とベンチで緩やかに区切られていることで、広場でイベントが開催されている間も、車の走行から安全が確保されています。

広場と区道の境界をつくる植栽とベンチ

建物コンセプトを表現する曲線美が施された、しゃれ街取得の有効空地

さて、敷地の中に戻ってみましょう。この建物では複数フロアにわたって「しゃれ街条例」が取得され、有効空地として一般開放された場所が数か所あります。

まちづくり団体が活用する区域が表現されている

1階は、前述の広場が有効空地となっていますが、B1階の日比谷アーケード、6階のパークビューガーデンも有効空地として設けられています。

双方の空地共に、曲線をモチーフとしたデザインが施されていることが特徴的です。

東京ミッドタウン日比谷のwebサイトに、建築家が設計当初に描いたスケッチがありました。“かつて日比谷にあった鹿鳴館から受けたインスピレーションで、男性と女性がダンスをするイメージがデザインの原点”となっているようです。

 

建物ファサードのみならず、商業空間や歩道や有効空地にも曲線のデザインが適応され、より日比谷のブランドイメージを定着させるものになっていると考えます。さらには、建物から一歩出てすぐに景色が変わるのではなく、舗装が統一された歩道やゴジラが迎える広場が目に入ってくることも、特筆すべき点といえます。

東京ミッドタウン日比谷の開発は、街区全体を巻き込んだエリアマネジメントを行うことで、「まち」としてのブランドイメージを向上させる成功事例になりうると言えるのではないでしょうか。

 

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