「どこのホテルのプールサイド?いいえ、ここは銀座のビル屋上です」
白色で統一されたテントとテーブル&チェア、光にきらめく水面と健康な芝生。まるでホテルのプールサイドのような光景。2017年4月にオープンした銀座エリア最大の商業施設、GINZA SIXです。その屋上に、こんな解放感たっぷりの屋上【GINZA SIX GARDEN】があることをご存知でしょうか。

「水盤と芝生が生み出す非日常空間」
13階までエレベーターであがり、緑化が施されたパーゴラをくぐり抜けると、屋上広場が広がります。10月末までの期間限定レストラン(VOGUE LOUNGE GINZA SIX)が開催され、大庇の下に設置された白いバーカウンターでは、お酒や軽食をオーダーする人々の姿がありました。
この屋外空間を象徴する芝生と水盤は、通常は立ち入り禁止になっていますが、イベント時には芝生はもちろん、水盤は水を抜いてイベント広場として活用できる仕組みになっています。水盤全体が、大庇側にむけて緩い勾配をとり、四周はきれいにテーパーが切られている為、また数cmほどの水深を保ちながらも勾配の始まりと終わりに細い排水溝が設けられており、周囲に水が流れ出すことはありません。イベント利用時の機能性と建築的美しさの融合をここに垣間見ました。その奇跡の融合にかけられたコストと職人さんの技術は計り知れません。
「イベントを盛り上げる巨大フレーム」

エリマネ視点で広場を見渡してみると、屋外美術館のような、高さ2.5m程度の大きな写真は、イベントの雰囲気を盛り上げるだけでなく、その背後にソファが設置された飲食空間との間仕切りの役目を果たすメッシュ状のスクリーンとなっています。大きなフレームは、スクリーンを上下にひっかけるフックと、夜間にはスクリーンに光をあてる内照式の造作となっていました。飲食空間が狭くとも、スクリーンがメッシュ状のため、光を通すことで圧迫感を与えず、かつ遠目には巨大なポスター絵画のように見えるこのフレームは、GINZA SIX竣工時には設置されていませんでしたが、イベントを盛り上げる重要なアイテムとして常設されていくかもしれません。