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公開空地を利用してwithコロナのオフィスエリアをアップデート|大手町プレイス|Soto de Lunch(ソトデランチ)レポート

働き方改革に伴う、オフィスビルの意義

2020年5月に緊急事態宣言が解除されてなお、新型コロナウイルス感染症の対策に気が抜けないまま約半年が経とうとしています。物理的な移動が制限される中、働き方改革に拍車がかかりました。オフィス不要論を唱え、軒並みリモートワークを推進、オフィス縮小へと舵を切る企業も珍しくありません。
一方で、オフィスでのちょっとした会話や打ち合わせ、雑談から生まれるアイデアや人間関係といった価値にも、改めて注目が集まっています。
これまでのオフィスビルを取り巻く環境が一変し、オフィスビル独自の付加価値向上時代へと突入している今、千代田区大手町にある、大手町プレイス(主催者:大手町プレイス管理組合、企画・運営主体:NTT都市開発株式会社)は、近隣ワーカー向けに公開空地を利用した期間限定の屋外飲食スペースを提供しました。(8/17(月)〜9/11(金)平日 ※取り組みは終了、実施支援:株式会社クオル

withコロナにおける公開空地の可能性

公開空地とはオープンスペースの一種で、民有地内における自由通行や利用など、一般に開放された空地のことを指します。
公開空地はオフィスビルを含め様々なビルに設けられていますが、制度上の制約があるため、全てが積極的に利用されているわけではなく、自由通路としての使われ方にとどまっている例が多く見られます。(東京都における公開空地活用の仕組みについては、こちらの記事を参照)
しかし、室内の閉じられた空間を避けたいというニーズも生まれている今、このような屋外に開いた公開空地をうまく使うことで、オフィスビルの魅力が高まるのではないか。そのような考えから今回の大手町プレイスの取り組みが始まりました。

(公開空地では写真の通り、施設の敷地内に表示が出されています)

場と音の演出でリラックスしてランチと日常を楽しむ

取り組みのタイトルは「Soto de Lunch(ソトデランチ)」という、アルファベット表記で洒落た印象のもの。
その会場となったのは公開空地として位置づけられたビルとビルの間に作られた緑豊かな遊歩道で、「グリーンプロムナード」と名づけられています。大手町から神田方面へ抜けることができ、普段から自由通路として利用されています。

今回、この「グリーンプロムナード」に木製のテーブルやイス、パラソルを設置して、ランチやリラックスタイムにぴったりなスペースを演出。また、間隔を開けて植栽を設置することで、それが程よいパーテーション代わりにもなって、より落ち着いて過ごせる空間をつくっていました。
お昼休みの時間になるとSoto de Lunchの席はすぐいっぱいになり、設置期間中は日常使いの場として風景になじんでいました。この取組みを行ったことで、施設内にある飲食店のテイクアウト用お弁当も種類と数が増えたそうです。
屋外で3密回避もできるほか、心地よく過ごすことができるようなBGMによる音の演出もされていたため、ランチを食べた後もお昼寝や読書する方も多く見られました。食事の場としてだけでなく、憩いの場としても利用している方が多い印象でした。

時間帯によっては施設内の無料Wi-Fiを利用してリモートワークをしている方も見受けられ、オープンな場所を選んで仕事ができるという意味では、オフィスビルの足下で働くのも悪くありませんね。
空間演出の他、会場には大手町エリアの飲食店や話題になっている施設がプロットされた巨大マップが設置され、「行きたい!」「行ったことがある!」場所を来場者にシールで貼ってもらうなど、オフィスビル単体としてではなく、エリアの活性化を意識した取り組みも大手町エリアに対する愛着を促すような取り組みもされているのがよいですね。

(大手町エリアのロケーションマップには、来場者からたくさんの反応が)

オープンスペース活用からオフィスエリアの魅力向上へ

従来の毎日出社の働き方から、場所も時間もフレキシブルに働けるようになったことから、オフィスビルで働くことの意義や価値を再認識してもらうために行われた今回の取り組み。
オフィスへの出勤をするとなると、ビルだけではなく、エリアとしての価値向上も重要になってきます。エリア内のビルや施設が力を合わせ、エリアとしての過ごしやすさや価値を上げることで、そのエリアで働きたいと思わせることが今後のオフィスビル存続のキーになると言えそうです。
オフィスエリアで密を避けながら、安心して気持ちよく働ける場所として魅力を高めていくために、公開空地のようなオープンスペースは有効に活用できる資源です。
今回の「Soto de Lunch」をはじめ、スペース活用の取り組みや工夫によって、オフィスエリアのピンチをチャンスに変えていくことができるのではないでしょうか。

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