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マンションブランド「PROUD」を掲げる野村不動産の挑戦

 多くの大手デベロッパーがオフィスビルや商業ビルを収益の柱としている中、住宅部門に力を入れている会社として知られており、特に「PROUD」ブランドをはじめとする分譲マンションが強みの野村不動産が今回のお相手です。今回インタビューを受けてくださったのは泉山さん(ICT・イノベーション推進部 R&D推進課 副部長兼R&D推進課長)と伊藤さん(IC・イノベーション推進部 R&D推進課 担当課長)。お二人とも20年近く住宅事業に従事され、現在は開発エリアの持続的な活性化を目指すことを目的とした街づくり構想「BE UNITED構想」とその活動「ACTO(アクト)」の仕組み作りから導入・推進に邁進されています。そんなお二人に、構想が立ち上がった経緯や現在の活動などについて伺いました。

エリアマネジメント導入の提言は3年前から始まっていた!

 野村不動産が街づくり構想「BE UNITED構想」と「ACTO」を発表されたのは2018年10月、今から約1年前になります。エリアマネジメント活動をデベロッパー自らが行うという先進的な活動を発表するまでに社内で大変な苦労をされたとか。 コミュニティ醸成、にぎわいの創出を目的としたエリアマネジメント活動には、活動の継続性を担保するために収入源の確保という課題がつきものです。これまでにコミュニティ支援を目的として当初数年間のみサポートしてきたプロジェクトはあったのですが、数年前から多機能かつ高い利便性を有する「都市型コンパクトタウン」に力を入れ、それを「ふなばし森のシティ(千葉県船橋市)」に導入した結果、2013年にはワールドスマートシティ・アワード(※1)でブロジェクト部門賞を受賞した実績や、エリアマネジメント導入が市街地整備や再開発条件という時代の潮流もあったため、昨年の10月に「BE UNITED構想」を発表するにいたったそうです。 

※1:ワールドスマートシティ・アワードとは、本国際会議のコンセプトの発展に寄与する都市、プロジェクトや革新的技術を表彰するために設立された賞で、世界銀行や外部有識者からなる選考委員会が評価し、受賞者を決定するものです。

デベロッパー=ハードだけじゃない。ソフトのパワーで魅力価値向上を目指す「吉日楽校」

 「ハードだけやっていたら、将来デベロッパーなんて必要なくなってしまうと思うんです」と泉山さん。「だからこそ、弊社はエリアマネジメントというソフトを積極的に導入したいと思っています。入居者さまや周辺住民の方々の交流が生まれる“人と人との繋がり”、そして将来的には“街と街がつながる”ことで継続的な街の成長を生み出すことができると考えています」。  
 その第一歩として実現したのが、住宅・商業・サービス付高齢者住宅、小学校の複合開発「プラウドシティ日吉(横浜市港北区)」の建設用地の一部を使った地域交流スペース「吉日楽校(きちじつがっこう)」です。第1回目は2018年7月21日(土)に開催されました。初回は事務局が積極的に活動をして開催したイベントでしたが、現在は住民主体でイベントが開催されるまでに馴染んできているようです。(2019年11月末現在、工事に伴い活動敷地縮小)
 「日吉は、ファミリー世帯が多く住み、近くに大学もあるので、学生も多くいる街なんです。そんなエリア性もあり、沢山の方々が来場され、楽しんでいただけたようでした。今は沿線から出店される方もいれば、以前出店された方の口コミで出店を希望される方も出てきていて、住民さん主体でイベントが開催されています」と伊藤さん。日頃、事務局スタッフが住民と目線を合わせてコミュニケーションをとり、住民の参加意欲をかきたて、しっかりとした体制のもとサポートできたことがイベント成功のポイントだったとも言います。「ですが、我々はイベントで集客を目的としていません。イベントはあくまでもその場所に価値があると感じていただける・期待していただくための手段の1つなんです」と続けました。

 「「プラウドシティ日吉」ではエリアマネジメント費として会費を設定していますが、強制にはしていません。この場に価値があると思っていただいた入居者さま、周辺住民、企業の方々にも利用できる施設とし、入居者同士だけにとどまらない、新しい交流が生まれる場所にしています」。
 事業主主催のイベントを開催することで瞬間風速的な来場者の満足度を得ることはできます。ですが、野村不動産が目指しているものは、住民さんが自分たちが住む街に価値を見出していくことです。野村不動産の街づくりへの並々ならぬ覚悟が感じられました。

500人以上が来場した吉日学校。緑溢れる空間で開催された
吉日祭りの横、森の中で開催された「ヨガ体操」

“あしたを、つなぐ”を念頭に活動していく野村不動産の今後は

ハードの街づくりもデベロッパーだけど、軸がソフトの街づくりが主流になっていくだろうと予想されている野村不動産。

 「街づくりは“競争”するものではなく、“共創”すべきものだと我々は考えています。利益はお互いに享受できるはずだとも思っているので、今後は企業間の垣根を越えてタッグを組み、共に街の価値の創造をしていきたいですね」と語られていました。
 野村不動産のグループシンボル「ユナイテッドN」にはオレンジ色と紫色が使われています。オレンジ色は「ホスピタリティ」と「挑戦心」、紫色には「独創性」と「品格」という意味が込められています。挑戦心と独創性を持ち合わせてエリアマネジメントで街づくりを行う野村不動産の今後の活動に目が離せません。

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