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コンパクトな空間でありながら工夫や遊び心がぎゅっと詰まった都会のオアシス”SHARE GREEN MINAMI AOYAMA”

暫定利用として再開発された”SHARE GREEN MINAMI AOYAMA”

「SHARE GREEN MINAMI AOYAMA」は、南青山に2018年10月6日にオープンしました。青山というエリアにはファッションや流行発信という華やかなイメージがありますが、この施設は青山公園や閑静な住宅街に隣接するのんびりとした時間を感じられる場所にあります。芝生の広場を中心として元々使われていた倉庫をリノベーションしたカフェやショップがオープン、豊かな緑が気持ちよい場所です。
このエリアは都市計画上の制限から再開発が難しいとされていますが、この場所の所有者で事業者でもあるNTT都市開発株式会社によって、将来再開発が始動するまでの間、南青山一丁目エリアのさらなる賑わい創出と地域に開かれた場を提供することを目的に暫定利用施設として再開発された施設のようです。どのような施設・場所なのか現地取材をしてきました。

都会のオアシスにふさわしい、緑に囲まれた施設

「SHARE GREEN MINAMI AOYAMA」のメインエントランスには吊り下げ式の植物、屋根のように這わせるタイプの植物等、至るところに植物が配置され、緑豊かな環境がつくられていました。この施設内には花と観葉植物を扱う店舗があり、緑をテーマにしていることを感じ取ることができます。これら緑を眺めながら店舗の方に歩いていくと、途中から値札がさりげなく置かれた植物が立ち並び、店舗へ続くようになっていました。身近な植物というより珍しい植物がたくさん並んでいる様子には、来訪者も思わず足を止めて写真に収めていました。

見るものすべてがインスタ映えする、思わず写真を撮りたくなる

敷地に入って一番目を引いたことは植物の多さですが、同じように目を引くものがあります。それは色です。ピンク色を大胆に取り入れた建物は白とピンクのツートンカラーで構成されており、足元にはピンク色のレンガも使用され、日本ではあまり見ない風景をつくり出しています。芝生や周囲の緑と合わさるとまるで海外にいるかのような雰囲気を楽しむことができます。シャッターにもピンク等の色を使ったアートなイラストが描かれており、思わずそのシャッターの前でインスタユーザーがポージングしたくなるようなスポットがつくられていました。店舗の前には壁と同色のブランコが設置してある等、思わず写真を撮ってSNSにアップしたくなるような仕掛け、撮影スポットが施設内にたくさん散りばめられていることが印象的でした。

イベントスペース利用としての想定、広場の仕掛けについて

普段は憩いの緑あふれる場所として利用されていますが、今後はイベントスペースとしてカフェや広場の貸出を想定しているそうです。開業日にはこの広場を活用して、音楽イベントやパークヨガなどがオープニングイベントのひとつとして開催されていました。イベントに必須の電源もこの広場には複数個所設置されており、電源を必要とする設備を利用出来るようになっていました。また、シェードが付いたテラス席が広場に隣接しており、ビアガーデンや屋外フードイベントも開催しやすそうです。

コンセプトを体現する、人々が集まりやすい空間や動線を確保する

都会の真ん中にある新しい”PARK LIFESTYLE”
都会の真ん中、南青山一丁目に、緑豊かな広場を中心にカフェ、ショップ、オフィスが共存。
多くの人々が自然と集まり、一緒に緑をシェアしながらコミュニケーションが生まれる新しいかたちのスポット。
公式ホームページより引用(https://share-green.com/about/

これは「SHARE GREEN MINAMI AOYAMA」の施設コンセプトですが、このコンセプトを体現するひとつとして、”来訪者が長く滞在する工夫”と”施設への入りやすさ”を大事にしていると感じました。滞在する工夫としては、屋内外問わずくつろぐことができる椅子やベンチがいたるところに設置されていることです。様々な種類の椅子やベンチがたくさん置かれていることで、お気に入りの椅子を思わず探してしまう、座りたくなるような工夫をしているのではないかと感じました。また、施設への入りやすさは、駅から歩いてくる来訪者を想定した通常のエントランスに加えて、住宅側と隣接する青山公園側の出入り口もあり、このエリア周辺からの入りやすさも考慮されていると感じました。地元の方にとっても自然な動線になるように考えてつくられているのではないでしょうか。隣接する青山公園側は朝8:30からオープンとなっていて、これなら朝の通勤時や散歩時にも通ることができます。

わかりやすいアイコン表示と遊びゴコロ、愛着が生まれるデザイン

施設内に配置されているサイン盤面も、この施設の雰囲気に合うようなデザインがなされていました。硬い表現になりがちな禁止事項やルールもアイコン等でわかりやすく表現され、遊び心をもって描かれていました。また、ごみ箱もこの施設の雰囲気になじむカラフルなものが置かれており、施設全体の調和が考えられていると感じました。このような取り組みは、この施設ならではの空間をつくりあげるポイントになっており、多くの人に愛着・応援されていくひとつの工夫といえるのではないでしょうか。「SHARE GREEN MINAMI AOYAMA」はまだオープンして一か月ほどしか経っていませんが、平日の昼間もカフェは賑わっており、打ち合わせや普段使いとして利用されていました。カフェや店舗だけではなく、コワーキングオフィス”LIFORK”も隣接しており、様々なひとが集まる施設になりそうです。コンパクトな空間でありながらたくさんの工夫や遊び心がぎゅっと詰まったこの施設をきっかけに、このエリアにどんなにぎわいが生まれていくのか楽しみです。

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