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[レポート]駅と街の相思相愛の広場、“てつみち”

京王線調布駅では、2012年の鉄道地下化に伴い、鉄道跡地である地上の整備・開発が行われています。将来的に南北の駅前広場をつないだ大きな広場がつくられる計画となっており、その中で先行して整備が行われた“てつみち”が2018年度グッドデザイン・ベスト100を受賞しました。

人々の憩いの場となっている“てつみち”

この場所には様々な仕掛けが組み込まれています。ネーミングにある“みち”は単なる通行動線の道路という意味だけではなく、公園やカフェといった機能を併せ持ったパブリックスペースとなっていることが特徴的です。今回はこの“てつみち”をレポートしていきたいと思います。

鉄道跡地という特性を生かしたデザイン

現地に向かい、まず気になった点は地面に伸びている4本のレールです。これは従前に地上を走っていた電車風景を思い出させるためのもので、実際に本物のレールが埋めこまれていました。また車道との境界に設置された金網フェンスや、カフェの入り口に設けられた段差など、所々に鉄道を想起させるデザインが散りばめられています。

 

かつての線路を想起させるレール埋め込み仕上げ
車道との境界にある金網フェンス
建物への小上がりに仕込まれたレール形状
小さな電車を思わせる植栽

 

さまざまな利用を想定した設計

“てつみち“のシンボルといってもいいほど、ひと際目立っている場所は「プレイヒル」と名付けられた猿山のような形状をした大きなファニチャーです。多くの小さな子供たちがアスレチックとして遊んでいる姿が印象的でしたが、ベンチのように腰を掛けたり、イベント開催時にはステージとして利用可能な多目的ファニチャーとなっています。また、“てつみち“に設けられたファニチャーは全て木製となっており、広場全体に柔らかな印象をもたらしていました。

子供たちの遊び場、プレイヒル
様々な木製のファニチャー

それ以外にも、子どもたちへの配慮も見られ、怪我をするような危険な遊具は無く、床仕上げもコンクリートではなく弾力性のあるゴムチップや人工芝となっていました。遊ぶ子どもたちを見守る保護者の目が届くように周囲にはベンチやカフェが設置されており、安心できる空間設計となっていました。

遊ぶこどもたちを見守るスペース

まちとの繋がり

道路との境界フェンスには、昔の調布駅のイラストの横断幕や近藤勇生家跡までの道のりを示すサイン等、まちとのつながりを想起させる工夫がなされていました。また、“てつみち“に隣接する道路を挟んだ向かい側のブロックには、昔ながらの雰囲気も感じることができる調布駅前商店街通りが残っています。商店街入り口に掲げられたフラッグには「ありがとう京王線―ここに駅舎があったから調布銀座が誕生しました」の言葉があり街と駅との相思相愛を実感することができます。

調布銀座商店街入り口

“てつみち“は、現時点においては土地所有者である京王電鉄株式会社による暫定広場として活用されていますが、今後は市の用地買収により民地から道路区域になる予定です。民間から行政に土地が渡った際に、今のような理想的な土地活用を続けていくことができるのか、現在の“てつみち”における取り組みがどのような形で反映されていくのか、と今後の動向にも注目です。

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