三菱地所株式会社、静岡ガス&パワー株式会社、プロスペックAZ株式会社は、3社共同で合弁会社「東松山バイオマス発電合同会社」を設立し、街路樹の剪定枝等を活用したバイオマス発電事業にこのほど参入します。埼玉県東松山市にバイオマス発電所(発電容量1990kW)を開発、2022年度より運転を開始する予定です。
街路樹は、無機質になりがちな都市景観にうるおいを与えるだけでなく、夏の日差しを遮るほか、排気ガスや騒音をやわらげるなど道路沿いの環境を守る役割があり、また、都市特有の現象であるヒートアイランド現象の緩和にも貢献しています。一方で、都市部の街路樹や公園の樹木などの生育に伴って発生する剪定枝の推定量は関東1都6県だけでも年間約50万トンともいわれており、その大部分は、廃棄処分または焼却処分されています。
同発電事業では、都市の廃棄物である街路樹や公園の樹木などから発生した剪定材を燃料として再利用し、年間約1500万kWh(一般家庭で約4800世帯分の電力に相当[1])を発電、年間約6900トン[2] のCO2削減を見込んでいます。
[1] 260kWh/月・世帯(=3,120kWh/年・世帯)にて換算
[2] CO2排出計数を0.463 kg-CO2/kWhにて換算
国内外で脱炭素社会の実現に向けた要請や取り組みが相次ぎ、再生可能エネルギーへの関心が急速に高まるなか、本事業の取り組みは、都市の廃棄物をまちのエネルギーに変える地域循環型の再生可能エネルギー発電事業です。今後も剪定枝を活用したバイオマス発電を全国各地で十数件程度を手掛けるなど、本取り組みの拡大を通じ、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
三菱地所では、「RE100」への加盟をはじめ、2021年3月に「エネルギーまちづくりアクション 2050」を策定、同年4月にはスマートエネルギーデザイン部を設置、丸の内エリアのオフィスビル等19棟でテナント専用部を含む全電力を2021年度から再生可能エネルギー由来に切り替え開始するなど、SDGs達成に向けた各種取り組みを進めています。また、収益事業として拡大する再生可能エネルギー市場へ参入を図るとともに、地域まちづくりにも貢献する施策として今後も積極的に取り組んでまいります。
静岡ガスグループは2021年2月に公表した2021-23年の中期計画で、再生可能エネルギーを新たな成長分野と位置づけ、重点投資する方針を示しました。2021年4月に参画を発表した山形県での輸入木質ペレットを主な燃料とするバイオマス発電プロジェクトに続き、本事業を通じて国内材を有効活用したバイオマス発電のノウハウ獲得を目指します。ガスや太陽光発電なども含めた多様なエネルギーでお客さまや地域社会のニーズに応え、脱炭素や地域循環型社会の実現を推進してまいります。
プロスペックAZはEnvironmental Harmony(環境調和)を経営理念として、一人ひとりが暮らしを営み社会を成長させていくために必要なインフラを、再生可能エネルギーをもとにして構築する事業を行っています。プロスペックAZの木質バイオマス発電は、国内各地域で生じている未利用のバイオマス資源を用いて経済合理性のある発電を実現するものであり、地域社会の課題に適切に応えるべく、今後も中核である本事業を積極的に推進してまいります。
■東松山バイオマス発電合同会社について
所在地:埼玉県東松山市大字大谷字町田5273番地
設立日:2021年3月
資本金:1億円
業務執行社員:三菱地所株式会社、静岡ガス&パワー株式会社、プロスペックAZ株式会社
事業シェア:三菱地所60%、静岡ガス&パワー35%、プロスペックAZ 5%
【「(仮)東松山バイオマス発電所」について】
所在地:埼玉県東松山市大字大谷字町田5273番地
発電容量:1,990kW
想定年間発電量:約1,500万kWh
想定年間CO2削減量:約6,900トン
燃料:街路樹等の剪定枝年間約3万トン
着工:2021年10月
運転開始:2023年3月
以上
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