東京都と東急コミュニティー(世田谷区)は、都立木場公園に飲食店を新設し運営する「都立木場公園多面的活用プロジェクト」の基本協定を締結した。2020年6月末までの開業を目指す。当初の事業期間は2029年3月まで。
江東区・深川南部地区に位置する木場公園は1990年開園。23万8711.13m2の総合公園で、仙台堀川を挟んで北側に東京都現代美術館、南側に都市緑化植物園などがある。今回の事業対象区域は南側の草地「ふれあい広場」の一角で1500m2。都はこのうち300m2以下を「収益エリア」、残りを「創意工夫エリア」とし、前者に飲食店を設置・運営、後者で公園の楽しみ方・過ごし方を豊かにする取り組みの提案を求めて事業者を公募した。収益エリアの土地使用料は1m2あたり月額715円、創意工夫エリアでイベントを行う際の占用料は1m2あたり日額29円。提案事業者は2者で、外部委員による審査の結果、今年2月に東急コミュニティーを選定した。
同社の提案は、産地直送の素材を使ったメニューを提供するセルフサービスのレストラン&カフェ。店舗はかつて材木のまちだった木場の歴史を継承して木造とし、屋上に農園を設ける。ほか、グループ企業や地元企業と連携して木育講座や星空観察会、屋上農園での収穫体験などを開催する。公園は避難場所に指定されているため、災害時には避難者や帰宅困難者の支援に取り組む計画だ。