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相馬藩の「殿」が領内に帰還し、福島県浪江町の避難指示解除まもないエリアから、新しい自治の形を目指す「驫(ノーマ)の谷/ Noma Valley」創設

人と馬と自然とが共生する新たな自律分散型コミュニティ。9月下旬から会員証となるNFTアートを発行、世界中からコミュニティメンバーを募り、オンラインと車座の合議によって施設・サービスを創っていく

 一般社団法人SOMA(福島県浪江町、共同代表:相馬行胤、高橋大就)は、原発事故により全町避難となった福島県浪江町、かつての相馬藩領において、地域住民と共に、会員証となるNFTアートを発行して世界中からコミュニティメンバーを募り、人と馬と自然とが共生する自律分散型コミュニティ「驫(ノーマ)の谷 / Noma Valley」を創っていきます。
 この「驫の谷」の創設の拠点として、手はじめに福島県浪江町の避難指示解除まもないエリア(室原地区)に、相馬家第34代当主、相馬行胤(みちたね)が移住し、コミュニティづくり、拠点づくりを始めます。
 9月29日(金)より、会員証となるNFTアートの発行を開始し、コミュニティメンバーから募った資金を基に、オンラインでの提案・投票と、「殿」と住民を交えたリアルでの車座による合議を組み合わせて意思決定を行い、自分たちの手で拠点づくり、サービスづくりを行っていきます。
 これらの活動を通じてコミュニティを拡大していき、そこで生まれたサービスを活かして町・地域全体の交流人口・観光人口の創出にもつなげていきます。

  • 目的

 福島県の沿岸、浜通り地域北部は、長きにわたり相馬藩が治め、温暖な気候で、豊かな山・川・海に囲まれた美しい土地で、農業も林業も漁業も盛んな地域でした。2011年3月の東日本大震災と原子力発電所の事故により、福島沿岸12市町村に避難指示が出され、居住ができなくなりました。その後、除染やインフラ復旧、生活基盤の再生が進められ、順次避難指示が解除され住民の帰還が進んでいます。いまだ約310キロ平米の帰還困難区域が残されており、そのほとんどは浪江町・双葉町・大熊町に集中していますが、このかつての相馬藩領において、歴史的な苦難を乗り越えて、新たな社会のモデルを創る様々な挑戦が始まっています。

 「驫(ノーマ)の谷 / Noma Valley」は、この地に、人と馬と自然とが共生する自律的なコミュニティを創り、交流人口・観光人口の拡大を通じて地域の復興に寄与することで、千年続いてきた相馬を継承し、千年先につなぐことを目指しています。

  • 「トノ」の帰還

「驫の谷」の立ち上げのため、相馬家第34代当主、相馬行胤がこの地に戻ります。そこには、これまで、人口が最盛期の3分の1にまで激減した江戸時代の天明の飢饉など幾多の苦難を乗り越えてきた相馬藩であれば、この苦難も必ず乗り越えられるという信念と覚悟があります。

 その思いを相馬行胤はこう語ります:

「2011年未曾有の大災害が起きた後、私の唯一の道標は幾多の困難を乗り越えてきた先人たちの教えでした。歴史に希望を見出し、私どもに伝えてくださった大切なものを次世代に引き継ぎ、1000年続いてきたものをさらに1000年続ける。それこそが長きに渡りお世話になっている故郷のために私にできる唯一の事だと思っております。あの日から12年以上の月日が経った今年、私たちは新たなステージに向かいます。」

 相馬藩領内の中で、なぜ浪江町に戻るのか。一つには、浪江町がいまだ帰還困難区域が最も多く残る町だからです。この浪江町に「トノ」自ら居住することで、復興の先頭に立つという意志を示します。

 もう一つ、歴史的な意味合いがあります。元禄14年(1701年)、相馬家第21代当主(相馬中村藩第5代藩主)相馬昌胤(まさたね)は37歳で家督を養子である叙胤(のぶたね)に譲り隠居して、現在の浪江町幾世橋地区に移り住みました。昌胤が命名した「幾世橋村」は宿場町として繁栄し、後の浪江町の発展の基礎を築きました。この昌胤公の歴史にならい、2022年に14歳となって元服した息子に野馬追の総大将を譲った相馬行胤がいわば「隠居」して、浪江町に移り住む。そして、帰還困難区域に最も近い最前線、このフロンティアから、1000年続いてきた相馬の歴史を継承し、ここから1000年続く地域の新たな発展を築いていくのです。

  • NFTアート

 この人と馬と自然とが共生する自律的な新たなコミュニティ「驫の谷」を創る仲間を募るため、9月29日(金)より、会員証となるNFTアートを日本と世界に向けて発行します。

(NFTの形での販売とともにリアルの会員証カードの形での販売も行う予定です。)

  • コミュニティの運営

 NFT発行により集まった資金を元に、浪江町の拠点に、コミュニティが必要とする施設を合議によって決定し、自分たちの手で協力しながら、施設を創っていきます。

 コミュニティメンバーは、主体的に議論・意思決定に参加し、活動に貢献をして、この自律分散型のコミュニティを創る一員となると共に、そこでの特典を得られます。

 意思決定は、 NFT保有者によるオンライン上の投票を受けて、リアルの場の車座で決定する予定です。

 第一段階として、コミュニティ内部の交流・馬との交流のための施設を建設、その後、コミュニティメンバー以外も利用できるサービスを提供するための施設を建設し、浪江町の交流人口・観光人口の創出にもつなげることを想定します。

 例)・馬トレッキング、馬車観光、馬による情操教育、ホースセラピー、馬耕・馬搬体験など

   ・コミュニティ・スペース/ ワーケーション・スペース、カフェ/ 飲食店など

  また、民主主義的思考に基づく学習拠点としてのコミュニティスクールの機能、子供が学校の外で大人と共に体験をしながら生活に必要な知恵や経験値を積んでいく体験・探求学習の場としての機能、子供を気軽に連れていけて地域で子供を見守り育てる子供の居場所としての機能も提供していく予定です。

  • 世話役

 「トノ」である相馬行胤をはじめ、谷の開拓者であり驫たちを案内する「世話役」は以下のメンバーで構成されます。

・相馬 行胤=トノ 驫 / SOMA共同代表 / 相馬中村藩34代目当主

・高橋 大就 驫 / SOMA共同代表

・青木 耕作 驫 / SOMA理事

・中澤 葉子 驫 / SOMA理事

・奥本 英樹 驫 / SOMA監事 / 福島大学教授(経済経営学類)

・森廼 遊  驫 / アーティスト / ストーリークリエイター

・小波津 龍平 驫 / 「驫の谷」コミュニティマネージャー

・中澤 巧 驫 / ホースマン

  • 側役

 驫の世界を広げる力強いパートナーの「側役」は、以下のメンバーで構成されます。(敬称略。今後も順次新たな方に加わっていただく予定です。)

・荒井 大造 株式会社FUKUSHIMA WATCH COMPANY 取締役

・岩本 泰典 コドモエナジー株式会社 代表取締役

・牛山 大  ハリウッド株式会社 代表取締役CEO 

・加藤 博敏 株式会社ピーエイ 代表取締役会長兼CEO

・菊池 一弘  株式会社 場創総合研究所 代表取締役

・白井 智子 新公益連盟 代表理事 / 社会起業家

・髙岸 弘治  侍PLANNING よろずプロデューサー・プランナー

・但野 謙介  一般社団法人パイオニズム 理事

・林 篤志   社会彫刻家 / Next Commons Labファウンダー / Crypto Village共同代表

・福留 秀基 スパークル株式会社 代表取締役

・宮城 治男 NPO法人ETIC. 創業者

・門馬 光清 相馬野馬追 軍師 / 中ノ郷騎馬会長

・若林 直子 ソーシャルピーアールパートナーズ株式会社 代表取締役

・和田 智之 株式会社小高ワーカーズベース 代表取締役

  • 驫眼紋

「驫の谷」のシンボル、驫眼紋(ひょうがんもん)は、人と馬(自然)、二つの視野を合わせた350°見渡せる眼で1000年を見据える「驫の眼」を意味します。同時に、森羅万象を「円」と「線」だけで描く紋の概念と手法で、相馬1000年(九曜紋)の遺伝子を継承しています。

  • 一般社団法人SOMAについて

一般社団法人SOMAは、以下のミッションの下、2023年1月に福島県浪江町にて設立されました:

 ・福島県相双地域の長く避難指示下にあった地域(旧相馬藩領)に、自然と共生する自律的なコミュニティを創ると共に、交流人口・観光人口の拡大を通じて地域の復興に寄与する

 ・同時に、災害時の住民主体による避難行動の体制づくりなど、コミュニティによる防災・減災を研究者・研究機関と協同しながら地域に実装する

 ・世界のモデルとなる自律的なコミュニティを創り、その知見・経験をウクライナをはじめ世界の被災地に伝え横展開することで支援していく

<共同代表プロフィール>

■相馬行胤(そうま・みちたね)

・相馬家第34代当主

・NPO法人 相馬救援隊代表理事

福島県相馬双葉地方をフィールドに、伝統文化の振興、教育、エネルギーなどの分野に新しいムーブメントを起こすため、引退競走馬を活用した地域創生プロジェクトに取り組んでいる。

「被災地」と呼ばれて久しい故郷は、世界の持続可能性をめぐる課題を解決するリソースとアイディアに溢れ、『相馬野馬追』を代表とする地域の馬事文化を継承しつつ、人々と馬の新しい関係を築き、次世代に託す、そして、地域課題の解決を通じ、世界が抱える課題に寄与するモデルを提供することをミッションとする。

■高橋大就(たかはし・だいじゅ)

・一般社団法人東の食の会 専務理事

・一般社団法人NoMAラボ 代表理事

1999年4月、外務省入省。在米国日本大使館での外交官時代を含め、8年半の間外務省に勤める。

2008年4月、マッキンゼー・アンド・カンパニーに転職。

2011年3月、東日本大震災発災を受けて休職、東北に入り緊急支援に従事。

2011年6月、一般社団法人東の食の会 発足とともに事務局代表就任。同年8月、オイシックス株式会社(当時)海外事業部長(執行役員)に就任。2020年3月、一般社団法人 NoMAラボ を設立、代表理事に就任。

現在、東の食の会にて東北の食のプロデュースを行い、「サヴァ缶」や「アカモク」などのヒット商品や多くのヒーロー農家・漁師を生み出すと同時に、福島県浪江町に居住し、NoMAラボにて、住民が残した町の記憶と創りたい町の姿を屋外アートで表現する「なみえアートプロジェクト『なみえの記憶・なみえの未来』」や、エンターテインメントにより町の記憶を継承する「なみえオンライン謎解きアドベンチャー『時の波へ』」など、住民主体によるまちづくりのプロジェクトを行っている。

<団体概要>

名 称 :一般社団法人SOMA

住 所 :福島県双葉郡浪江町

設 立 日:2023年1月30日 

代表理事:相馬行胤

代表理事:高橋大就

  理事:青木耕作

  理事:中澤葉子

  監事:奥本英樹

Website: https://nomavalley.jp

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