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国内最大級*のホテル×エンタメ施設からなる「東急歌舞伎町タワー」新宿・歌舞伎町の歴史を紡ぐアートプロジェクトを始動します!

東急株式会社および株式会社東急レクリエーションが新宿歌舞伎町で開発を進めている「東急歌舞伎町タワー(以下、「本施設」)」は、ホテルおよび映画館・劇場・ライブホールなどのエンターテインメント施設などからなる、地上48階・地下5階・塔屋1階、高さ約225mの超高層複合施設で、来年4月14日(金)に開業予定です。

大衆娯楽文化の街・歌舞伎町の中で文化発信を続けてきた新宿TOKYU MILANOの系譜を受け継ぐべく、その跡地である本施設計画敷地では、2019年12月より、建設現場の仮囲い壁面を活用した「新宿アートウォールプロジェクト」を行いました。今般、本施設内において、東急株式会社、株式会社東急レクリエーション、株式会社TSTエンタテイメント、株式会社THMの4社にて、新宿・歌舞伎町が紡いできた歴史や文化を体験できるアートプロジェクト(以下、「本プロジェクト」)を、開業に合わせて展開します。本プロジェクトでは、新宿・歌舞伎町とゆかりのある作家をはじめとした多様な26組の作家により制作された、新宿を象徴する場所で愛されてきた家具を使った作品、歌舞伎町の息遣いからインスピレーションを受けた作品などを本施設内各所に展示します。今回、先行発表として、7作家およびその作品を紹介します。

展示作品は、低層付近では「混交、時間、動、街・路上、土、活動的、日常」を、高層部では「透明、無時間、静、異次元、空、リラックス、非日常」をテーマとし、地下から地上約225mに伸びる建物との親和性を表現したゾーニングとすることで、本施設内に都市が入り込み、本施設と新宿・歌舞伎町が一体となることを目指します。さらに、アート作品の展示だけではなく、アートツアーやホテルとの連動企画を実施することで、偶発的な都市文化体験を可能とし、新たなアート体験価値を提供します。

▲作品ゾーニングイメージ▲作品ゾーニングイメージ本プロジェクトのキュレーターとして、国内最大規模の芸術祭「あいちトリエンナーレ」にて長年地域との親和性が高いアート展示を経験してきた拝戸雅彦氏を迎えます。また、歌舞伎町と関係性の深い篠原有司男氏やChim↑Pom from Smappa!Groupをはじめとした多様な作家との協働を行う、現代アートギャラリーのひとつであるANOMALYが参画することで、新宿・歌舞伎町エリアの文化発信力の更なる充実・強化を図ります。

本プロジェクトを通じて新宿・歌舞伎町と一体となった文化表現の場を整備し、世界へ向けた都市観光の拠点としてさまざまな文化を創造・発信することで、街とともに更なる発展を目指します。

*高さ200m以上で、ホテルとエンタメ施設(映画館、劇場、ライブホールなど)を含む複合施設における日本国内主要観光都市調査 調査期間:2022年3月(㈱ESP総研 調べ)

詳細は、以下の通りです。

■プロジェクトコンセプト
本施設は、新宿・歌舞伎町の文化を体験できる施設としての役割を果たすべく計画を進めてきました。
新宿・歌舞伎町という街が紡いできた、歴史・文化・出来事・記憶・人の営み。これらを軸に据えることで各作品および全体の地域性がより象徴的に表現されること、それによる地域の文化発信力が更に充実し、来街者に歌舞伎町を訪れる楽しみを提供することを目指します。
日本の優れたアートを世界へ発信するため、作家には若手から巨匠まで幅広い層の日本人作家を中心に起用し、コミッションワークを基本としています。また、街に近い低層階から本施設の頂部約225mに向けて、街と空とを繋ぐように、かつ、本施設内各用途のコンセプトとも調和したゾーニングとしています。
この場所でしか出会えない作品を随所に配置し、本施設を訪れる方が、アートを通じて街の記憶に触れる機会を創ります。

■キュレーター紹介
拝戸雅彦氏 コメント】
アート作品を設置するにあたって考えたのは、街に溢れかえる色や光と、アートも含めて時代に敏感で活発的、でも時に感傷的でヒューマニックな人々の姿や歴史を映し出したものにする、ということでした。その一方で、地上から天空に向けて舞い上がる鳥のような視点をも体験できるような場所になっています。

[プロフィール]

©️わしおともゆき©️わしおともゆき愛知県美術館館長。1964年愛知生まれ。1992年10月から2008年3月まで愛知県美術館の学芸員として勤務。愛知県があいちトリエンナーレの事業を立ち上げた2008年から9年間、芸術祭(トリエンナーレ)推進室に異動。3回のトリエンナーレにキュレーターとして関わった。2017年からの愛知県美術館企画業務課長、副館長職を経て、2021年4月から現職。 

【ANOMALY コメント】
大衆文化の坩堝・新宿歌舞伎町は、戦後の復興計画にあっても多様性に溢れ、1960年頃からは多くの前衛芸術家らが活動してきた場であり、今なお大きな施設と路上文化が共に息づくリアルな街の姿があります。芸術が従来のジェントリフィケーションの手法に陥らず自己批評的に介入し、新設ビルと街の文脈を分断することなく、培われてきた寛容な地元の気運に敬意を払いながら、更なる歴史を継ぐものとなるよう尽力しました。

[プロフィール]

2018年、東京東品川にオープンした現代美術ギャラリー。ANOMALYとは、正論や常識では説明不可能な事象、逸脱という意味。変則的でよりインディペンデントな活動の場を標榜し、時代の要請に向き合い、展覧会のみならず、ジャンルの枠組みを超えた試みも行う。

■7作家およびその作品紹介(予定)



【淺井裕介】 <新作>

▲参考画像『yamatane』 2014, Rice Gallery(ヒューストン、米国)での展示 ©️Yusuke Asai  Photo by Nash Baker▲参考画像『yamatane』 2014, Rice Gallery(ヒューストン、米国)での展示 ©️Yusuke Asai  Photo by Nash Baker

わたしたちの足もとにある地面の奥深くには、人目に触れずとも巨大な生命圏が広がっている。そこでは多くの微生物が、堆積する枯葉や動物の死骸を分解し、豊かな土壌に変え、自然の営みを支えている。そのように生命が育まれ、リズムをもって躍動するイメージの新作を、本施設建設時に地下深くから採取した土や、新宿界隈で採取した土などを用いて、本施設地下2階に位置するラウンジ壁面(横幅合計約16m)に描く。
(作品名未定) 



[プロフィール]
1981年東京生まれ。土、水、埃、テープ、ペンなど身近な素材を用い、旅のチケットやコースターの裏に描かれたドローイングから巨大壁画まで様々なスケールで奔放に絵を描き続ける。大きな生き物の中に入れ子状に小さな動植物が現れるなど、ミクロの中にマクロが存在する生態系を表すような独特の表現は国内外で評価が高く、展覧会や芸術祭にも多数参加。2019年横浜文化賞 文化・芸術奨励賞受賞。


【篠原有司男】<新作>

撮影:丸尾隆一撮影:丸尾隆一

作品名:『オーロラの夢』
素材:キャンバスにアクリル
サイズ:H180cm×W1000cm
新宿「ホワイトハウス」を拠点に活動した前衛芸術グループのメンバーである篠原有司男氏。代名詞と言える「ボクシング・ペインティング」は、絵筆の代わりにグローブに絵の具を浸しキャンバスをヒットして描く、時間軸をもった絵画作品。歌舞伎町で制作された本作は、日本の伝統的な絵画を思わせる色味を用い、伝統と革新の融合を、雄大に広がるオーロラのような大画面に描き出した。本施設1階エントランスにて、歌舞伎町の街のエネルギーを来館者に体感させる。


[プロフィール]
1932年東京生まれ。1960年に結成された「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」主要メンバー。新宿でのパフォーマンスや破天荒な活動で日本の美術界に衝撃を与える。1969年渡米以降、ニューヨークを拠点に活動。原色を大胆に使った大型の絵画や「ボクシング・ペインティング」など、エネルギッシュな作品で国内外から高い評価を受ける。


【森山大道】

▲Untitled、『新宿』シリーズより 2002、ゼラチンシルバープリント、printed later ©️Daido Moriyama▲Untitled、『新宿』シリーズより 2002、ゼラチンシルバープリント、printed later ©️Daido Moriyama

作品名:『新宿』シリーズより
素材:ゼラチンシルバープリント
サイズ:各100cm×150cm、4点
半世紀以上にわたり新宿という街に魅せられてきた森山大道氏。わい雑と混沌に満ちたエネルギッシュな街、新宿の夜を撮影した代表的な作品集『新宿/Shinjuku』から作品を厳選し、本施設1階エントランスほかに複数展示する。都市の欲望や身体性をあまねく捉える路上からの視点は、唯一無二の独創性に富んでいる。


[プロフィール]
1938年大阪生まれ。日本を代表する写真家のひとり。ハイコントラストのモノクロ画面、アレ・ブレ・ボケと評されるアブストラクトな表現が写真界に衝撃を与える。メトロポリタン美術館やカルティエ現代美術財団で個展を開催するなど、海外での評価も高く、2012年にニューヨークの国際写真センター(ICP)主催の第28回インフィニティ賞生涯功績部門を受賞、同年に「ウィリアムクライン+森山大道」展がテート・モダンで開催された。


【Chim↑Pom from Smappa!Group】

撮影:三嶋一路撮影:三嶋一路

作品名:『ビルバーガー』
素材:ミクストメディア(「にんげんレストラン」のビルから切り出された3階分のフロアの床、各階の残留物など)
サイズ:約H186cm×W170cm×D155cm
解体直前の「歌舞伎町ブックセンタービル」で2016年に行ったプロジェクト「にんげんレストラン」で制作した、ビルの全フロアを切り抜き、そのままに積み重ね、ビル内の残留物を間に挟み込んだ巨大彫刻作品。壊す/建てる、という相反したプロセスによって「スクラップアンドビルド」を可視化しており、本施設2階エントランスに設置される。ユーモアを交えながら、大量生産・大量消費社会や都市のあり方に言及する。
作品協力: Smappa!Group、古藤寛也


[プロフィール]
2005年東京で結成されたアーティストコレクティブ。時代のリアルを追求し、現代社会へ全力で介入したメッセージ性の高い作品を発表する。2016、2018年に新宿・歌舞伎町のビルを舞台に大規模な展覧会を行い、話題を呼んだ。作品は世界を代表する海外の美術館にもコレクションされ、アジアを代表するコレクティブとして時代を切り開く。


【西野達】 <新作>

▲設置CGイメージ▲設置CGイメージ

作品名:『新宿』
素材:ミクストメディア(街灯、家具、本、服、バッグなど)
サイズ:約H749cm×W343cm×D155cm
新宿を象徴するような家具などを使用することにより、江戸時代の宿場開設に始まる約320年前から綿々と続く新宿の歴史を作品に取り込む。ホテルのチェスト、新宿二丁目ゲイダンスクラブのキャッシャー台、新宿区役所で使用していたスチール棚などである。それらの家具などは、新宿TOKYU MILANOの脇にあって、この地を照らし続け歴史を見守ってきた街灯によって繋ぎ留められる。本施設17階バーに設置予定の本作は、屋外の大規模なインスタレーションで知られる西野達氏の貴重で希少な屋内の恒久設置作品となる。


[プロフィール]
1960年愛知生まれ。公共空間を中心に大胆で冒険的な大型プロジェクトを行うことで国際的に知られる。代表作に「The Merlion Hotel」(2011年、シンガポールビエンナーレ)、「Discovering Columbus」(2012年、Public Art Fund、ニューヨーク)など。平成29年度(第68回)芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。


【大巻伸嗣】 <新作>

▲設置CGイメージ▲設置CGイメージ

リズムを持った時間の流れや、空気や重力も含めた空間の存在を感じさせてくれる大巻伸嗣氏。本施設45階に位置するレストランにΦ250cm、バーにΦ150cmの大型作品を展示する。天井から吊られた金属の球体の中でLEDがゆっくりと点滅し、かつて新宿に広がっていた水景からイメージした表面の水紋や花などのモチーフが影絵のようにして、壁や天井、そして床に幻想的に映し出される。(作品名未定)

[プロフィール]
1971年岐阜生まれ。「存在」とは何かをテーマに制作活動を展開する。環境や他者といった外界と、記憶や意識などの内界、その境界である身体の関係性を探り、三者の間で揺れ動く、曖昧で捉えどころのない「存在」に迫るための身体的時空間の創出を試みる。


【青木野枝】 <新作>

▲参考画像 『霧と鉄と山-I』 2019年 鉄、ガラス、波板 府中市美術館での展示 撮影:山本糾▲参考画像 『霧と鉄と山-I』 2019年 鉄、ガラス、波板 府中市美術館での展示 撮影:山本糾

大きな窓から入る豊かな光が壁に差し込む本施設46階ラウンジに展示されるのは青木野枝氏の新作彫刻。光の美しい空間に、作品が光を反射しもうひとつの光のページェントが生まれる。ビルの建つこの土地にあった水は、長く青木氏がテーマとしている空気中に存在し、さまざまに形を変える、我々にとってかけがえのない存在である。この地にある水脈が空近くで昇華し、光と融合するイメージが鉄とガラスで形作られる。(作品名未定)

[プロフィール]
1958年東京生まれ。1980年代より鉄を素材とした彫刻を制作。素材本来の硬質感や重量感、あるいは彫刻の従来のイメージから離れ、シンプルな素材、技法ながら、作品の置かれる場、空間全体を意識した作品を生み続ける。その革新的な実践は高く評価され、美術館での個展、コレクション多数。近年はガラス、石膏、石鹸など、さまざまな素材に取り組んだ作品を発表している。


■「新宿アートウォールプロジェクト」について
本施設建設現場の仮囲いを活用した全長280mにおよぶ「新宿アートウォールプロジェクト」において、2019年12月に東側、2020年6月に北側と、段階的に開発好明氏による作品「《Evangelion Styrofoam》」を、2021年4月より、西側と南側に森山大道氏の写真作品群「SHINJUKU」を展示いたしました。
半世紀以上にわたり新宿ミラノ座として親しまれ、新宿の文化の変遷を歩んできた新宿TOKYU MILANOが2014年に惜しまれながら閉館したこの場所において、本施設建設中の期間も新宿の街の魅力と文化を絶やさず、新しい時代の創生への祈りをこめて、実施しました。


※本プロジェクトの追加詳細は決定次第お知らせします。
※本ニュースリリースに掲載されている内容およびパースは現状の想定です。今後変更となる場合がございます。

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