
近年「リジェネラティブ」という言葉を耳にする機会が増えました。
「リジェネラティブ」は、直訳で「再生させる」を意味する言葉です。一方で国連が「SDGs(持続可能な開発目標)」を掲げたことによって広く普及したワード「サステナブル」は、「維持・継続する」を意味し、環境負荷の軽減を目的とした活動に使われることが多いようです。「リジェネラティブ」の台頭は、「サステナブル」という言葉がもつ、ある種の現状維持的姿勢から、積極的に自然環境を再生するべき時期に来ていることの表れかもしれません。
本記事では、エリマネこ編集部が「リジェネラティブ」を体現していると考える事例をご紹介します。
事例紹介
近年注目されるようになったワードではあるものの、リジェネラティブな取り組みは、これまでにも数多く行われています。エリマネこが取り上げてきた中から、特に“都市部の自然環境の再生”に焦点をあてている事例を3つピックアップしました。
東急プラザ原宿「ハラカド」

昨年4月にオープンしたハラカドは、「多様な人々の感性を刺激する、新たな原宿カルチャーの創造・体験の場」をコンセプトに掲げる商業施設です。そのシンボリックな外観と、“モノを売る”ことに主眼を置かないスタイルが大きな話題となりました。
ハラカドの7階には、緑あふれる屋上テラスがあります。同ビルを運営する東急不動産は「都心のビルを、野鳥の止まり木へ。」をキャッチコピーに、ハラカドと、その対角線にあるオモカド(東急プラザ表参道)に鳥の巣箱を設置し、生物多様性の保全に取り組んでいます。


参考記事
Comoris

Comoris(コモリス)は、都市部の空き地をアーバンフォレスト(街中の森)として活用するシェアフォレストサービスで、昨年5月に代々木上原に最初のコンセプトモデルをオープンしました。アーバンフォレストは、ヒートアイランド現象や水害の軽減、気候変動の緩和などをもたらすほか、野生動物や植物が生息することで、都市部の生物多様性の維持に貢献します。
またComorisでは、緑を増やすことはもちろん、植物の育成や環境の整備といった参加型の学びやアクティビティを提供することで、都市に住む人々の自然環境に対する意識の向上や行動変容の促進にも取り組んでいます。


参考記事
WATERS takeshiba

2020年に開業した「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」は、都市部にありながら海と豊かな緑が楽しめる複合施設です。水辺には「竹芝干潟」が設けられており、かつて東京湾に多く生息した貝類や甲殻類などの多様な生き物が生息できる環境の保全、再生を目指しています。毎月第2日曜日には時間限定で干潟が開放されるほか、「夜の生き物観察会」も開催されるなど、環境学習の場としても活用されています。


参考記事
まとめ
「リジェネラティブ」な取り組みは、私たちのすぐ身近にあることがわかります。経済的利益を最優先とせず、自然環境や私たちの心の豊かさに焦点を当てている点が、3つの事例に共通しています。これからの発展を考えるうえで重要な概念として、さらに目にする・耳にする機会も増えそうですね。
執筆: 山本佐知
編集: エリマネこ編集部



