スタートアップ支援×サーキュラーエコノミー×恵比寿のまち文脈を掛け合わせたリノベーション
サッポロ不動産開発株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:宮澤 高就、以下「当社」)は、東京都が推進する「グローバルイノベーションに挑戦するクラスター創成事業(※1)」を活用し、渋谷区恵比寿に位置する自社保有ビル「アルカサル」2階202区画(以下「本区画」)をセットアップオフィスへとリニューアルしました。
本取組みは、同事業内で実施されている「Global CityTech Bridge(グローバルシティテックブリッジ)(※2)」に、社会実装パートナーとして参画している当社が、2025年度採択プロジェクトとして実装したものです(※3)。


今回のリニューアルは、単なるオフィスのセットアップ化にとどまらず、スタートアップとの協働を通じて実装の場を提供するとともに、再利用素材や環境配慮型建材を活用したサーキュラーなリノベーションを実現しています。さらに、恵比寿で創業した地域企業との協働により、まちの歴史や産業の文脈を空間に取り込むことで、恵比寿ならではのオリジナリティと創造性を備えた空間づくりに取り組みました。
当社は2025年12月に「恵比寿まちづくり戦略」を策定し、「ひらめきが生まれるまち」の実現に向けた8つのアクションを発表しました※4。今回の取組みは、そのアクションの1つに掲げた「成長段階に応じた多様なオフィスの提供」を実現するための施策の一環であり、スタートアップとの共創、環境に配慮した取り組み、地域企業との協働によるオリジナル価値の創出という三つの視点を掛け合わせた事例として位置付けています。
当社は、今回の取組みで得た知見・ノウハウを活かし、オフィスのリノベーション支援などを通じて恵比寿のまちづくりと連動した事業成長を図りながら「ひらめきが生まれるまち」の実現を目指します。
※1「グローバルイノベーションに挑戦するクラスター創成事業」(TIB Catapult)の詳細はこちらhttps://tibcatapult.metro.tokyo.lg.jp/
※2「Global CityTech Bridge」の詳細はこちらhttps://jp.cic.com/tib-catapult/
※3 https://www.sapporo-re.jp/news-release/2025/02202192/
※4 https://www.sapporo-re.jp/news-release/2025/12185494/
■ セットアップオフィスの概要
本区画は、入居後すぐに業務を開始できるフルセットアップオフィスとして整備しました。家具・什器をあらかじめ完備することで、スタートアップや成長企業にとって入居しやすく、利便性と快適性を兼ね備えたオフィス空間を実現しています。
執務エリアのデスクは可動式の台形デザインを採用しており、業務内容や働き方に合わせてレイアウトを柔軟に変更できます。さらに天板には、農業廃棄物である麦わらを利用したハーベストパネルを使用。サーキュラーエコノミーの視点を取り入れた仕様とすることで、機能性と環境配慮を両立したオフィス環境を実現しました。
・デスク、チェア、収納、照明などの家具・什器一式を完備
・会議室(MTGスペース)を新設
・男女別トイレを整備


また、折り畳み式の机を設けることで、スタンディングでの打ち合わせに活用できるほか、未使用時には収納が可能となり、限られた空間を有効に活用しながら、コミュニケーションのスタイルに合わせた柔軟な空間利用を実現しています。


■ 今回のリニューアルの3つのポイント
1.スタートアップ支援の実践
2.エシカルデザインの考え方に基づいたサーキュラーリノベーション
3.恵比寿のまちの文脈とオリジナル性
1. スタートアップ支援の実践
本リノベーションは、New Norm Design(ニューノームデザイン)株式会社(※5)との協働により実施しました。同社が展開するサステナブル建材プラットフォーム「matinno(マティーノ)」(※6)を活用し、サステナブルな資材調達と内装デザインを実現しています。
当社はこれまでも、スタートアップの実証実験や社会実装の支援に取り組んできました。本件はその一環として位置づけられるものであり、不動産の観点からスタートアップが育ちやすい環境づくりを支援する取組みです。
※5 New Norm Design株式会社:https://www.newnormdesign.com/ja
※6 サステナブルマテリアルSaaSプラットフォーム「matinno(マティーノ)」について:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000103096.html
2.エシカルデザインの考え方に基づいたサーキュラーリノベーション
建築費の高騰が進む一方、環境負荷低減への要請が高まる近年、当社ではコストと環境の双方に配慮したリノベーションのあり方を模索してきました。今回、その具体的な実践として、サーキュラーエコノミーに注力する株式会社船場(※7)を設計・施工パートナーに迎え、以下の取り組みを実施しました。
・大阪・関西万博関連で発生した廃材(トイレ、照明器具など)の再活用
・デニム廃材を原料とした環境配慮型塗料の採用
・デスクの天板に農業廃棄物の麦わらを活用したハーベストパネルを使用
これらを組み合わせることで、コストを抑制しつつ、環境負荷の低い内装リニューアルを実現しています。
※7 株式会社船場:https://www.semba1008.co.jp/ja


3.恵比寿のまちの文脈とオリジナル性

防火服の端切れで制作したオリジナルのれん
本リノベーションでは、1867年に恵比寿で創業した小林防火服株式会社(※8)との協働を通じて、恵比寿のまちの文脈を反映したオリジナル性のある空間づくりに取り組みました。
今回、同社の消防服の製造過程で生まれる端切れに着目し、これらを単なる廃材として扱うのではなく、「恵比寿らしさ」を象徴する素材として活用しました。防火服の端切れをすべて手作業で重ね合わせ、ハンドメイドによるオリジナルのれん、オフィス内に展示するアート作品を制作しています。
防火服は高い耐久性と独特の伸縮性を持つ素材であり、貼り合わせや接合には高度な技術が求められます。均質には仕上がらない「たわみ」や「揺れ」も、あえて作品の味わいとして取り込み、小林防火服のロゴを組み込んだ一点もののアート作品として、本区画に恵比寿ならではの空間価値を創出しています。
※8 小林防火服株式会社: https://www.kbpro.jp/profile.html
※ CIC Institute「東京都TIB CATAPULT『Global CityTech Bridge』」採択プロジェクトが社会実装を実現!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000150.000063842.html
<施設概要>
| 物件名 | アルカサル |
| 所在地 | 渋谷区恵比寿1丁目18-5 |
| 敷地面積 | 109.32坪 |
| 延床面積 | 237.62坪 |
| 構造・規模 | RC造・地下1階地上4階建 |
| 用途 | オフィス・店舗 |
| 竣工 | 1992年6月 |
<建物外観>


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