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【Public dots & Company】環境省と3つの基礎自治体と共に「移動データを活用した脱炭素のまちづくり」

~まちの持続可能性を高める「脱炭素施策」を検討するための分析テーマが決定~

株式会社Public dots & Company(本社:東京都渋谷区、以下「PdC」)は、環境省の「移動データを活用した地域の脱炭素化施策検討業務(以下、「本プロジェクト」)」を受託し、小田原市、加古川市、富山市の3つの自治体にて本プロジェクトにおけるテーマを、リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」を運営する株式会社unerry(本社、東京都港区、以下「unerry」)と共に検討。この度、それぞれの自治体で分析テーマが決定しました。人の移動に関するデータの分析により、自治体が抱える地域課題の解決と、都市の持続可能性を高める「脱炭素のまちづくり施策」の立案を官民一体となって目指します。

  • 本プロジェクトの背景

2015年のCOP21で採択された「パリ協定」や、SDGs開発目標13番「気候変動に具体的な対策を」などに記される通り、CO2の排出を抑制し、持続可能な地球環境をつくることは世界的にも喫緊の課題です。日本においても2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、「コンパクトシティ」の形成が推進されるなど、あらゆる地域で脱炭素に向けた取り組みの必要性が増しています。本プロジェクトは、世界的な潮流である「脱炭素のまちづくり施策」を「人の移動に関するデータの分析」という手法を用いて導き出すものです。

  • 本プロジェクトの概要、3自治体の取り組み

本プロジェクトで利用する移動データはunerryが提供する「Beacon Bank」で収集・蓄積されているもので、スマートフォンのバックグラウンドで動作する位置情報取得モジュールから取得されたものです。ユーザーの許諾済みで、個人情報を含まない移動データが日本全国にわたり蓄積されており、このデータを可視化することで、一定エリア内で行われる移動の傾向(移動手段や移動ルート、地点ごとの滞在時間等)、すなわち「地域の傾向」を掴むことができます。

地域の傾向が反映されたデータを基に、現状課題の認識とその解決策を「脱炭素」の切り口から検討。人々が自然と行動変容を起こす「利便性と脱炭素が両立するまちづくり」を官民共創で目指します。


なお、本プロジェクトを実施する小田原市、加古川市、富山市では、以下のテーマを設定しています。


【小田原市】
<テーマ>
公用車のEV化と地元住民へのシェアリングに向けた施策を検討

<仮説>
市が所有する車をEV化し、職員が利用しない土日祝日は地元住民へシェアリングを行うことで、「脱炭素」と「住民の移動の利便性向上」を両立できないか?

<現状課題>
・EVカーシェアの新ステーション設置箇所の選定
・住民ニーズの把握

<データ分析の切り口>
休日における市所有施設周辺の自家用車低利用頻度を調査し、人流データを可視化する。


【加古川市】
<テーマ>
中心市街地の活性化と車移動から公共交通利用へのシフトに関する施策を検討

<仮説>
駅前商業施設と近隣の図書館や河川敷を含めた中心市街地エリア一体での賑わいづくりが、地元経済活性化と公共交通の利用促進につながるのではないか?

<現状課題>
・駅周辺来訪者の目的の把握
・駅前移転した図書館の来訪者の変化の把握

<データ分析の切り口>
駅周辺来訪者の来訪手段、滞在場所、滞在時間を調査。また、図書館の移転前後の利用者の変化を比較し、現状および図書館の駅前移転効果による市内在住者の人流変化を把握する。


【富山市】
<テーマ>
ウォーカブルなまちづくり促進のための効果的な施策を検討

<仮説>
人流データを詳細に分析することで、自動車の利用比率が高く公共交通利用へのシフトが困難な地域でも、ウォーカブルなまちづくり施策、ひいてはコンパクトシティ化の検討ができるのではないか?

<現状課題>
・全国的に見て自動車の利用比率が高く、公共交通利用へのシフトが困難
・公共公益施設が郊外に分散し、中心市街地が空洞化

<データ分析の切り口>
中心市街地に車で訪れた人を対象に、来訪後の移動を調査。また、滞在場所の可視化も行い、ウォーカブルな中心市街地にすべく施策を検討する。

 
なお、PdCは、官民の間でデータの分析やそれに基づく議論・検討が繰り返される本プロジェクトにおいて、プロジェクトマネージャーを務めます。PdCの強みは、官民両方の組織文化に深い知見を持つ「パブリック人材」の独自ネットワークを持つことです。本プロジェクトのプロジェクトマネージャーはパブリック人材であり、官民それぞれの特性を理解した円滑な各種調整、進行を行います。


【黒部一隆 環境省総合政策課政策企画官のコメント】テクノロジーの発達により、手順を踏んでリーガル面をクリアすれば、あらゆるデータが活用できます。今後は、データドリブン(データに基づいた企画や戦略の立案・実行)のまちづくりが主流になってくると思います。自治体にはデータを読みながら、まちをデザインする力が求められてくるでしょう。本プロジェクトを通じ、市民の満足度向上や、コストパフォーマンスに優れた、より解像度の高い施策につなげられると思います。

■黒部氏の考えるデータを活用したまちづくりについてのインタビュー記事はこちら
・移動データを活用した地域の脱炭素化プロジェクト(1)〜「見える化」で得られる改善のヒント〜 https://publab.jp/2022/01/14/3750/

・移動データを活用した地域の脱炭素化プロジェクト(2)〜「見える化」で得られる改善のヒント〜 https://publab.jp/2022/01/16/3754/

・移動データを活用した地域の脱炭素化プロジェクト(3)〜  デジタルで解決すると、アナログが輝く〜 https://publab.jp/2022/01/19/3768/

・移動データを活用した地域の脱炭素化プロジェクト(4)〜  デジタルで解決すると、アナログが輝く〜 https://publab.jp/2022/01/21/3770/

  • 今後の展開について

2022年2月には、データ分析による現在の人流を把握し、これまで行ってきた街づくり施策がどのような人流を生み出しているのか、またどのような移動手段を使っているのかなどを明らかにします。その後、これらのデータ分析結果を「脱炭素のまちづくり施策」のブラッシュアップに活用し、ワークショップを実施する予定です。

また、同年3月には、本プロジェクトの実施結果を発表するシンポジウムの開催も予定しています。

本プロジェクトは、昨今のデジタル技術の進化に伴うデータの利活用を行政運営に取り入れた、EBPM(Evidence-based policy making:証拠に基づく政策立案)の好事例になると位置付けています。さらに、官の持つ「誰ひとり取り残さない」とするパブリックマインドと、民の持つ専門性や技術力の高さが相乗効果を生む官民共創事業のモデルケースにもなると考えています。

PdCでは今後も、複雑多様化する社会課題の解決と新たな価値創造を、官民共創にて推進するサポートを続けてまいります。

  • 会社概要と本件問い合わせ先

社名:株式会社Public dots & Company
住所:東京都渋谷区渋谷2-24-12渋谷スクランブルスクエア15F SHIBUYA QWS BOOSTER7
URL: https://www.publicdots.com/
メール:contact@publicdots.com

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